なつめ/棗子(12~2月)
台湾ではナツメは主に2つの食べ方があり、一つは新鮮な果物、もう一つは乾燥ナツメを食材として使用する。台湾フルーツというと南国の夏の果物のイメージが強すぎます。冬の時期には気候の面でも日本と似ている部分が多いため、この時期の現地のフルーツの種類も日本で食されている果物と同じようなものが店頭に並びます。
果物のインドナツメ(棗)は台湾では蜜棗(Mìzǎo)または蜜棗子(Mìzǎo zi)と呼ばれています。台湾でも乾燥ナツメは漢方食材の一つとして頻繁に使用されています。それと同時に、新鮮な果物として店頭に並んでいることをよく目にします。大きさは約4cm程度でやや縦長の形状をしており、ちょうどLサイズかLLサイズの大きめの卵のような形をしています。フルーツとして食用は外皮は緑色で果肉の部分は白色をしています。果実の中心には、やや大きめの種がありますので、かぶり付いて食べる時には注意しないと歯を痛めてしまいます。実際にナツメを食べたことがある方はよく分かるかと思いますが、ナツメの特徴は何よりも食感です。他の果物にはないシャキシャキとした食感がたまりません。
ナツメの味はほんのりとした甘さと酸味があり、梨の味に最もよく似ています。他の果物と比べるとほとんど味がないと言っても過言ではないくらい「ほのかな味」です。新鮮なナツメほど、僅かな渋みと極々僅かな青臭さの風味があり、本来の果物の姿を楽しむことが出来ます。少し時間を置いて熟成させると甘みが増してきますが、シャキシャキ感が少し落ちてしまいます。台湾では乾燥ナツメは漢方食材として多用されています。「ナツメ(紅棗/大棗)は中華料理や薬膳料理の引き立て食材で薬効抜群」でも書きましたが、乾燥ナツメの効果は抜群ですね。ナツメは水分が多く食物繊維も多いため、便秘・下痢の整腸作用があるとされていますが、フルーツとして生食した場合、その効果は期待できるでしょう。高血圧にも効能があるとされています。ナツメを実食してみて気が付いたことですが、ナツメは梨のように水分が多いため、夜間にたくさん食べてしまうと、夜中にトイレが近くなり何度もトイレに行かなければならなくなるので注意しましょう。