「八八坑道」
台湾馬祖列島の歴史遺産は「八八坑道」。南竿島にある、花崗岩を掘って作られた「八八(Baba)坑道」もまた戦時遺構を有効活用した事例で、ひんやりした全長200mの坑道内には馬祖名物・老酒を熟成させた酒壺がズラッと並べられています。戦前は住民が海賊から逃れるために使っていた山洞でしたが、戦争に備えて銃器や弾薬を置くための地下道にされました。現在は陳年老酒(陳年高粱)と陳年大麴酒を保存する酒蔵として使用されています。道の入り口には大きな樽がずらりと並び、トンネル内部は一年を通して一定の気温と湿度で保たれ、自然の貯蔵庫となっています。15年以上寝かされているお酒が保存されている内部は、芳醇な老酒の香りに包まれています。坑道内はお酒の匂いで充満しているのでほろ酔い気分になるかもしれません。老酒造りが盛んな馬祖では、酒造りで出た紅糟(ホン・ツァオ)を使ったメニューが豊富で、「紅糟肉老酒麺線」はポピュラーな一品。素麺のような細い麺に青菜や目玉焼き、紅糟に漬け込まれた肉がトッピングされ、老酒風味の鶏ガラスープがなんとも言えない豊かな風味。アルコールがきついのでお酒が弱い人はご注意ください。また、牡蠣入オムレツがサンドされた継光餅(チーコンピン)、いわゆる馬祖ベーグルもおすすめですよ。
ひと味違う新たな発見を求めて馬祖へ (6)