竹から生まれたという竹生伝説が紹介されています。
「卑南社 昔我等の此の土地には、阿眉が先に出来た。あるとき彼等は[竹の]杖を[土地に]突刺したが、この竹は段々大きくなつて、我等卑南人が出来たさうだ」
伝承の内容は続きますが、出生にかわわる部分は以上です。しかし、この資料の興味深い点は、「原語による」と銘打たれているとおり、各民族の言語によってそれぞれの神話・伝承が記されているところです。台湾原住民族は文字を持たない人々ですので、発音記号を用いて記述されています。単語が一ずつ「/」で区切られ、一語一語に日本語訳があてられています。既に70年以上昔の調査ですので、今はもう使われていない単語などもあるかも知れませんが、原住民族達が話す言語の一端に触れることができるとても貴重な資料です。ピヌユマヤンに関すること以外に、他の民族についても各社毎に詳細な記述がなされていますし、で各民族の言語にふれることもできますのでご覧下さい。